私はこの数年、毎年6月に体調を崩します。
GWやその後までは気力、体力ともエネルギーに満ち溢れているのが、梅雨に入る辺りから一気に急下降します。さわやかな5月晴れから陰鬱な曇り空になるように気分も落ちていくのです。
昨年は5月末に行った一泊二日の台湾旅から帰国後に風邪をひき、それがひと月ほど治らず苦しみました。咳で寝不足でぼろぼろでした。
それがなくてもこの時期は持病の偏頭痛の頻度が高くなり、自律神経不調やホルモンバランスの乱れからくる軽度のパニック発作が起きて、心身ともにスッキリという日が減ってしまいます。
エネルギッシュな時期にポチッと旅の予約をしてしまうのに、その後の体調不良で「本当に行けるかしら?」と不安になる。昨年はそれでも予定通りに奈良に行き、それなりに楽しめたものの、今年は悩んでキャンセルしました。
暑さに弱い運動不足デブが、蒸し暑い時期に街歩きなんて無理だ…
同じ過ちを繰り返してはならん。
(´Д`A;)
でもどこかにいきたい
ゆっくりできて、美味しいものが食べられるところがいいなぁ
当初の予約をキャンセルした後にぼんやり考えていると、あ!あそこがいいんじゃない?と、ある場所が思い浮かびます。
そしてそこを調べると奇跡的に空きがあり、エイヤーっと予約。そうして、どこかに行きたい願望と疲れたくない、癒されたい願望を満たせる場所への旅が決まりました。
これはその旅の記録です。
4トラベル時代にも書いている場所なので、詳細は一部割愛します。より詳しく知りたい方は過去旅行記をご覧ください。今回の旅行記では前回と変わったところなどをご紹介します。
旅というよりも養生なのでつまらないかもしれません。しかし私のように心身の疲れが溜まった方や気持ちが落ち込んで気分転換したい方にぜひおすすめしたい場所なので、もしよかったらご覧くださいませ。
(*・ω・)

2025年7月19日土曜日
海の日の三連休を利用して出かけるため、東京駅から上越新幹線に乗りました。

連休なので東京駅は大混雑でした。
お昼前のグランスタはお弁当を買うのに並ばねばならず、面倒になってホームへ。
そしてホームのお弁当屋でこれを買いました。
長年愛され、上皇様もお好きだという噂のチキン弁当です。

オレンジ色のギンガムチェックがかわいいチキン弁当は、チキンライスと唐揚げという組み合わせ。
鶏肉に目がないチキン野郎の私はこのお子様ランチちっくな懐かしいお弁当が好きです。
デパ地下の弁当のような繊細な美味ではなく、チープな味にホッとするのよね。

割引で予約した切符が3人がけ席の通路側で、隣は若いカップルでした。
二人の横で弁当を広げてサクッと食べ、居心地悪いひとときを過ごします。
完全な邪魔者な上、弁当広げてますからね。
彼らからは変なオバハンに映ったに違いない。
(;^ω^)

カップルは上毛高原駅で下車し、その後は車窓の景色を眺めてのびのび過ごしました。
青い空、緑の山と田んぼが綺麗だなぁ。
夏の空だねぇ

東京駅から一時間半ほどで浦佐駅に到着です。

浦佐駅ってどこ?と思う方が多いでしょう。
ここは新潟県の魚沼市です。
魚沼産コシヒカリが有名な魚沼ですよ。
越後湯沢のそばです。

コシヒカリと同じぐらい有名なのは八海山でしょうか。
八海山といえば日本酒ですが、梅酒や焼酎もあり、日本酒もスパークリングなどいろいろあります。
自分は下戸だからお酒は飲みませんが、八海山の甘酒もありますね。

宿の送迎バスの待ち合わせ時間まで、売店などを見て過ごしました。
夏の新潟は枝豆も美味しいのよね。
うちも田んぼのあぜ道で作っていたなぁ

新潟名物柿の種の花火缶
長岡の花火は一度見てみたいです。
自分は新潟出身ですが、新潟のはずれの僻地の生まれなので長岡花火は行ったことがありません。
ちなみにこの週は地元の花火大会でした。小さな花火大会だけど、家の裏の河原で上がるのでとても綺麗です。
新潟に来るならばそっちに行けばいい気もするけど、帰省はなにかと疲れるのでね…

5月末に母と行った台湾で疲れ果て、それ以降クタクタなのでこの連休は自分を癒すのよ。
送迎バスは無料で、新幹線の時間に合わせた時間になっています。同じ新幹線できた人が待ち合わせの観光案内所に集まっていて、宿の人の案内で車へ移動しました。

浦佐駅の前はこんな景色です。
越後湯沢と同じくスキー場の多い場所ですが、とても鄙びていています。
バブルが弾けて、庶民の景気がよくない状態が長年続いてますからね。若い子は車を持たないし、スキーとかしなくなったんだろうな。
そもそも若者が減ってるもんねぇ。

私は田舎を嫌って都会に出たわけですが、いまこの年になると新潟の景色って綺麗だなぁと思います。
自分の地元と大して変わらないのに、すごく綺麗に見えます。歳をとると自然を欲するよね。

魚沼産コシヒカリ?の田んぼ
青々と美しいですが、この時新潟は深刻な雨不足で田んぼがひび割れてしまうほど渇水している場所もあったそう。
帰宅後にそれを知り、進次郎セクシー農水相が魚沼を視察しているのをニュースで見ました。
2025年は令和の米騒動でお米の価格が跳ね上がりましたが、この秋の米の収穫も心配ですね…

浦佐から30分ほどで宿に到着です。
こちらは栃尾又温泉自在館という、現代湯治を謳う宿です。
温泉旅館と違い、温泉で体を癒す目的に特化した宿で、連泊を推奨しています。本当の湯治だと一週間ぐらい必要ですが、こちらは2、3泊でくるお客が多いそう。
そしてリピーターが多いそうです。私も2年ぶり2回目の利用となります。

リピーターの客は館内の説明などを割愛するエクスプレスチェックインが出来て、同じバスで来た客のほとんどがそれでした。
鍵を受け取り、作務衣やお水のポットなど必要なものをロビーで用意したら、それぞれ部屋に向かいます。

ロビーフロアに作務衣やタオル置場があり、連泊の人はそこから替えを持っていきます。
同じフロアにコーヒーマシンや本棚があるので、ここでくつろぐも良し、部屋でくつろぐのも良し。
中居さんが部屋に入ってくることはなく、基本的に放置プレイなのが現代的で、それが緊張感なく休めるポイントだと思います。

私は2階の部屋でした。
一番お手頃なのはトイレなしの和室で、それが一番人気があります。湯治しやすい連休や長期休暇シーズンは早めに予約しないと取れません。
今回たまたまあった空室はトイレ付きの広めの和
室でした。8畳は一人だと結構広めね。
それを広いと思う自分にちょっと複雑な思いを感じてしまうね。狭い家に暮らしてるから…
(。´Д⊂)

部屋の入口に洗面台とトイレがありました。
トイレがあるせいか、排水のにおいがちょっと気になるな…
共用トイレに貼ってありますが、配管がご老体なので仕方がないのでしょう。排水通気を取れていないのかも。←職業的な考察
部屋にトイレなしでも構わないけど、夜中にトイレに起きることもあるお年頃だから部屋にあって損はない。
(ノ∀`)

前に利用した部屋は奥に椅子とテーブルがありましたが、この部屋にはそれがありません。
代わりにこのクッションが置いてありました。
これ、硬さがちょっと微妙かも?
寝るにも寄りかかるにもちょっと硬め。
無印やYogiboみたいな硬さのにしてくれたら嬉しいなぁ

障子を開けるとこんな景色です。
栃尾又温泉は子宝の効能もあるようで、宿の横に子宝祈願の薬師堂があります。今回のお部屋はそれの前でした。前回は川沿いの方で、雰囲気がちょっと違う。
写真の奥の方に共同湯の建物があります。
栃尾又温泉は三軒の宿があり、それぞれの宿の客が共同湯を利用するというシステムになっています。

観音堂の奥にあるのがうえの湯、おくの湯
自在館の地下へ降りて行くのがしたの湯
この三箇所が共同湯で、男女で日替わり利用になっています。

自在館の客は館内の3ヶ所の貸切風呂も使えます。
それがうさぎの湯、たぬきの湯、うけづの湯です。うけづの湯は唯一の露天風呂で、洗い場がなく温泉のみ。

栃尾又温泉はラジウム温泉で、ぬる湯が特徴。
体温と同じぐらいのぬるいお湯に長く入る入浴法で、最後に熱いあがり湯に入って仕上げます。
熱くないので湯あたりせず、じんわり温まります。それにリラックス効果があり、自律神経が整い安眠効果につながるのです。
自律神経絶不調の自分にぴったりなのですよ。
不眠、更年期不調、未病な人向けの宿です。

前回来た時はロビーのところで貸切湯の予約を紙に書いていましたが、いつの間にか部屋からタブレットで予約するシステムになったみたい。
空き時間が見やすく、変更やキャンセルもしやすいので非常に便利になりました。これを見るとその日の共同湯の割り振りもわかります。
夕食時の飲み物の事前予約や送迎バスの予約もこのタブレットですることができます。
DXで便利になったねぇ(*´ω`*)
DXってなにか知らんけどw

荷解きをし、貸切湯の予約を済ませたところでさっそくお風呂に行きませう。
久々に来ると館内に迷うな
構造がちょっと複雑です。

案内板に沿って移動します。
写真の奥にある一軒家のような建物が共同湯です。たしか前は外を歩いて行ったけどなぁ

渡り廊下の反対側の景色はこんな感じ
まわりにはお店もスナックも何もありません。
山しかない。
それが平気な人でないと無理と思います。

前回訪れた時は旧館の大正棟が工事中で、それが終わっていました。
木造の古い湯治棟を改装したようです。
階段の雰囲気、奥の緑が絵画みたいで素敵やん❤️
(〃▽〃)

広いお座敷がありました。
畳敷に扇風機、昼寝に良さげな雰囲気だね。
大の字で横になりたくなる。

こちらは座禅の間だって。
お昼寝部屋ではないのね。
(;^ω^)
自在館では希望者が座禅やヨガを行う日もあり、そういう日に使うお部屋なのかな?
しかしやはりここは夏の昼寝にいいと思うわ。
大正棟はこの座敷以外に客室もあります。
改装されて綺麗ですが入口の戸が昔ながらの引戸なので廊下や自分の部屋の音がちょっと気になるかも?

大正棟の廊下を抜け、階段を降りて外に出てすぐに共同湯です。
ここを通らず、一階から外に出てくることもできます。天候や気分で選ぶといいかと。

共同湯を入るとこんな感じ。
休憩用のイスと飲み物の自販機があります。
この日はおくの湯が女性用ですね。

おくの湯はこんな感じです。
深めの浴槽で、洗い場が数個あります。
2年ぶりに入る栃尾又のお湯はやはりぬるい。
しかし夏のこの時期に入るのに最適です。気持ちのよいぬるさ。
人肌のようなぬる〜いお湯に肩まで浸かっているとだんだんと不思議な感覚になるんですよ。ほわぁぁっとあたたかで心地いい。
初めての時はこれまで入った温泉と全く違うそのぬるさに慣れず、早々とあがってしまいましたが(と言っても30分は入っていた)二度目の今回は文庫本持参で一時間ほど入りました。
まわりの方も大体そのぐらい入ってますし、延々と入っている人もいます。

本を読んだり、うたた寝したり、瞑想したり?
皆さん長々とお湯に浸かっています。
どれだけ入ってものぼせないからです。
寒くなったら加温の浴槽に浸かり、またぬる湯に浸かり、交互浴して自分の心地いいところであがる。
ぬるくてもじんわり温まっているし、湯上がりに汗だくになることもなく、それが気持ちいい。

利用客は皆さん静かに入浴しています。
最近外国人の増加によって様々なことが性善説で成り立たなくなってきている日本ですが、ここは日本らしいマナーが守られていますよ。
外国人を追い出せとは言わないけど、その国のマナーを尊重する労わり合いの姿勢はほしいよね。

いやー、気持ちよかった。
湯あがりが爽やかなところがぬる湯の良さだね。
夏のこの時期にここに来て正解だったわ。

写真は部屋から見えた薬師堂
夫婦欅をくぐり、子持ち杉を跨ぐと子宝の御利益があるとかなんとか…

自分はそういうのに関係ないですが、リラックスして身体を温めるのは子宝に効くと思います。
冷えもストレスも身体に良くない。

自在館のホームページのこのイラストのように、ここにくる前は職場の冷房で冷え冷えで、肩が凝って頭痛がひどかったんだよなー
くるしいたぬー状態だったの
(。´Д⊂)

たったの二泊だけど、身も心もゆるめて温めましょう。
リラックス&リフレッシュ
何もしない、これ最高。

中途半端なところですが一旦切ります。
続きではこの日の夕食や貸切湯を紹介します。
よかったらご覧ください。
(*・ω・)